大谷翔平アメリカンリーグMVP

歴史的快挙なので全米メデイアがどう報じたか興味あるところです。以下yahooニュースより転載しておきます。

 

全米メディアは大谷翔平の満票MVPをどう報じたか「永遠に語り継がれる栄誉」「ブ軍党は不公平と思うかもしれないが正しい投票」

                          11/20(土) 5:47配信

メジャーリーグのMVPが18日(日本時間19日)に発表されアメリカン・リーグではエンゼルス大谷翔平(27)が史上19人目の満場一致で選出された。MVPは全米野球記者協会の選ばれた30人の記者が1位、2位、3位と順位付けをして投票する方式で決められ大谷は30人全員から1位(14ポイント)に支持されて計420ポイントを獲得、最終候補者だったウラジミール・ゲレーロJr.(22、ブルージェイズ)、マーカス・セミエン(31、ブルージェイズ)を引き離した。大谷のMVP受賞を全米メディアはどう報じたのか。

 

野球界で100年間見ることができなかった偉業
 地元のロサンゼルスタイムズ紙は、「エンゼルスの二刀流スター、大谷が満票でア・リーグMVPの栄誉を勝ち取る」との見出しを取り「戴冠式が完結した。大谷は、野球界で100年間見ることができなかったことをシーズン開幕から始め、二刀流スターの前例のないスキルが完全な形で広く披露されるとオールスターブレークでその勢いはさらに増した。そしてエンゼルスが終盤に(ポストシーズン出場争いから)脱落した時でさえ、大谷の周りにあった興奮が冷める気配は一度もなかった」と書き出し、「満票で選ばれるMVPの発表をもって彼は歴史的なシーズンの頂点となる最大の栄誉を手にした」と絶賛した。
 エンゼルスでは、ドン・ベイラー(1979年)、ウラジミール・ゲレーロSr.(2004年)、マイク・トラウト(2014年、2016年、2019年)に続き4人目の受賞で、日本人としては、2001年のイチロー・スズキ以来2人目の受賞になったことを紹介。
 その上で「だが、過去の受賞者は彼のようなシーズンは送ってこなかった。スポーツ史全体で大谷の2021年は比類のないものだった」と続けた。
 一方で、「来シーズン、あるいは将来的に彼がこのような輝かしい二刀流の成績を繰り返すことができるのか、2023年オフに権利を得るフリーエージェント問題など多くの疑問が出てくるだろう。彼は達成できるすべてをやり遂げた後に、エンゼルスプレーオフに導くに十分ではなかった事実に対してフラストレーションがあったことを認めた。シーズン終盤に彼はチームに長く残りたいという願望を不明瞭にしたようなコメントを発した(彼の代理人は大谷がアナハイムでの現状に『とても満足している』と主張したが)」とも指摘した。その上で記事を「だが、木曜日の発表では、それに関することは全く出なかった。歴史的な1年を通じて大谷は野球界でかつて誰も見ることのなかった偉業を達成した。そして今、これはMVP級のシーズンというだけでなく満票の受賞で認められた栄誉として永遠に語り継がれていくことになるだろう」という賛辞の言葉でまとめた。
 対する2人の候補が落選となったブルージェイズの地元紙であるトロントスター紙は「大谷、ゲレーロセミエン。MVP投票者はブルージェイズファンには不公平に見えるかもしれない決着を正しくつけた」との見出しを取って報じた。

「他のシーズンであれば、ゲレーロJr.はア・リーグの最優秀選手賞を楽々勝ち取っていただろう。しかし、大谷がほぼ1世紀の間見られなかったことをやり遂げたこの1年は違った。全米野球記者協会による最大の表彰をどの選手が受けるかという素晴らしい討論は、まったく大きなものにはならなかった」と記し大谷の満票でのMVPに異論を唱えなかった。
 さらに「ゲレーロJr.も良い成績を残したが、近年のMLBの記憶にはない二刀流スターの大谷はさらに良かった」と大谷を称え、「大谷が平均、もしくは平均より少し上の指名打者で先発投手ということであれば、話は違っただろうが、彼はそうではなかった。大谷は両方のポジションでエリートクラスの数字を残し、彼の野球における両方のパフォーマンスが合わされば唯一の結果(MVP)にしかつながってこないだろう」と、大谷が二刀流スターとして残した結果が、メジャートップクラスであったことを評価した。
 CNNは、「27歳の大谷は殿堂選手のベーブ・ルースとの比較が引き合いに出されるほどの偉業となる優れた成績をマウンドと打席の両方で残す歴史的シーズンを送った」と報じた。
 投打の成績について触れ、「大谷の打席でのパフォーマンスは、彼をア・リーグナ・リーグの歴史上初めて45本塁打、25盗塁、5三塁打をマークした選手になった」と紹介。エンゼルスでは3度受賞のトラウト以来のMVP獲得となったことを伝え、トラウトがツイッターに投稿した「チームメートとして(大谷が)成し遂げていく様子を目にするのは特別なことだった。君は、自分のシーズンをまとめあげたんだ」という祝福コメントを紹介した。
 また「日本では岸田文雄首相が祝福に加わった」とし「大変な偉業で国民として誇らしく思う」という岸田首相が発表した談話も掲載した。
 ESPNは、「大谷は二刀流スターとしての彼の約束を果たし、日本から4年前にやって来た時に持ち込んだ特大の期待をも上回ってみせた」と伝え「彼は野球史において1年で少なくとも30本塁打を打ち、また少なくとも10試合に登板した初めての選手となり、このことは彼の広く優れた能力を捉えるのには足りないものだ」と称えた。
 さらに「大谷はパワー、スピード、投球能力といった前例のない才能を合わせて観客を魅了した。彼の速球は刺激的だが、スプリッターは破壊的だ。彼は500フィート(約152メートル)の本塁打を放つが、普通のゴロで内野安打を稼ぐ」と、投打の能力を称賛。
「ファンは彼の景品(球団配布の関連グッズ)を得るためにエンゼルスタジアム入り口の外に並び、彼の先発日には世界中の人々がテレビをつけ、選手、コーチ、球団幹部といったスポーツ界で最も尊敬を集める人々が圧倒的な才能に衝撃を受けてきた」
 全米に巻き起こった大谷フィーバーの様子を紹介した。そして記事は、「正真正銘、彼がMVPだ」という言葉で締めくくられている。
 CBSスポーツは「大谷の満票でのア・リーグMVP受賞が二刀流スターを珍しい仲間の中に入れる」との見出しで、大谷のMVP受賞を伝えた。
 同メディアは西地区4位に終わったエンゼルスのチーム成績に注目。過去のMVP受賞者とチーム成績の相関関係について分析した。
「2021年のエンゼルスについて語れば、満票のMVP受賞者を輩出したチームとしては最悪の成績だった。これまでのMVP受賞者の中で最もチーム成績が悪かったのは、2015年の(ブライス・)ハーパーの所属していたナショナルズでチーム勝率は.512だった。だが2021年のエンゼルスの勝率は.475だった」と、大谷が歴代ワーストのチーム成績でのMVP受賞となったことを紹介した。
 その上で「MVPは優勝を争うチームから出なければならないという考えを排除する動きが起きており(投票の説明にはMVPは優勝争いを必要としないと記されている)、投票では、そのことが機能している。だが、大谷の打者と投手としての支配力と巨大で世界に及ぶスターとしての力は、そうした(投票における)考慮事項さえも実際にはあまり関係がなかったという事実を物語っている」と記し、大谷の満票受賞を改めて称賛した。