<月の便り号外> 平成最後の日

<月の便り号外>
平成最後の日
2019(平成31)年4月30日は平成という元号になっての最後の日です。平成は、日本の元号の一つ。昭和の後、令和の前。大化以降247番目の元号今上天皇の在位期間である1989年(平成元年)1月8日から2019年(平成31年)4月30日まで。平成は昭和天皇崩御されて生まれた元号ですが、「新しい元号は『へいせい』であります」と1989年1月7日、14時36分。小渕恵三官房長官が記者会見室で、「平成」と墨で書かれた生乾きの2文字を掲げました。内閣報道室の職員らが竹下登首相の談話を配り始めると、座っていた記者団が一斉に立ち上がってカメラをさえぎったため、いったん机に置いた白木の額を小渕氏が再びカメラに向かって両手で掲げる「撮り直し」の一幕もありました。翌8日朝、記者団から平成元年を迎えた心境を問われた竹下氏は「平静です」と語り、首相談話は平成を「国の内外にも天地にも平和が達成されるという意味が込められており、これからの新しい時代の元号とするに最もふさわしい」と説明。そのうえで「新しい元号も、広く国民に受け入れられ、日本人の生活の中に深く根ざしていくことを心から願っている」と締めくくったという歴史的事実があります。さて、平成最後の日に当たり自分なりの総括をしてみようかと思います。ふりかえると、1966年から2002年までが現役生活でしたが元号でいえば昭和41年から平成14年までとなります。昭和時代の23年間と平成時代の14年間ですので現役としては主として昭和時代を主戦場としていたということでしょう。いわば昭和に生まれ、昭和の義務教育を経て、昭和で働いた、平成は晩年を過ごしたという時代背景の認識が妥当でしょう。平成を一口でどういった時代かと言えば自然災害に数多く見舞われたと言っても過言ではありません。以下事実の羅列が続きますが、その時その時を何らかの形で直接、間接にかかわってきました。1990年代ですがやたら地震に見舞われました。雲仙普賢岳雲仙岳)は、長崎県島原半島中央部にある火山。1989年(平成元年)から、同じ長崎の「橘湾」を震源とした地震が発生していた。1984年4月より地震が頻繁に起こるようになり、1990年11月、雲仙岳山頂から噴火。噴火は1990年12月に一旦収まったものの、翌年再噴火。噴火活動は何度か収まりつつも、1995年3月まで継続。なかでも一番被害をもたらしたのは、1991年6月3日の噴火です。長期間にわたって噴火し続けたケースとしては珍しい例。死者は43名、負傷者は9名。1993年1月15日20時06分に発生したマグニチュード7.5釧路沖地震、さらに1993年7月12日10時17分に発生したマグニチュード7.8の北海道南西沖地震震源地が奥尻島のすぐ近くであったため地震発生からわずか4~5分で津波が到達し奥尻島では、202人が犠牲になった。1993年米騒動、1994年の猛暑と続きます。さらに1994年10月4日22時22分に発生した、マグニチュード8.2の北海道東方沖地震、1994年12月28日21時19分に発生した、マグニチュード7.6の 三陸はるか沖地震と続きました。この年代の総仕上げはなんといっても1995(平成7)年1月17日5時46分に発生したマグニチュード7.3の兵庫県南部地震阪神淡路大震災地震は強烈であった。最大震度は7、死者数は6433名。日本ではじめての、都市型直下地震であり、戦後で二番目に死者数が多い災害である。勤務先で一緒に仕事した仲間が倒壊した家の下敷きになって亡くなっている。西宮市に所有していたマンションが半壊と査定され基礎の補強のため各戸200万円の費用を請求された 。2000年代に入っても地震が多い。2000年6月26日に噴火した三宅島噴火、2000年10月6日13時30分に発生したマグニチュード7.3の鳥取県西部地震、2001年3月24日に発生したM6.7の特に広島県西部で被害が顕著であった芸予地震、2003年9月26日に発生したM8.0の巨大地震である 2003年十勝沖地震、2004年10月23日17時56分に発生したマグニチュード6.8の新潟県中越地震は21世紀に入って初めて震度7を記録した地震であるが、地震発生後も、最大震度5弱以上の余震が20回近く起こり、死者は新潟県で68人であった。2005年3月20日10時53分に発生したマグニチュード7.0の地震福岡県西方沖地震で死者は1名、負傷者は約1,200名。平成17年台風14号は8月29日に発生し、9月4日に沖縄県上陸、9月8日に北海道に上陸し温帯低気圧に変わるまでの間、全国各地に甚大な被害を与えた。 2005年11月から2006年2月にかけて発生した平成18年豪雪。 2007年3月25日9時41分に発生したマグニチュード6.9の能登半島地震、石川県で震度6を観測したのは、観測開始以来はじめてのことであった。2007年7月16日10時13分に発生したマグニチュード6.8の新潟県中越沖地震では死者は15名、負傷者2,346名にのぼった。2007年猛暑に見舞われ、岐阜県多治見市で40.9度を観測、そのほか、群馬県館林市山梨県甲府市、埼玉県熊谷市などで40度越えを記録した。 2008年5月8日1時45分に発生したマグニチュード7.0の平成20年茨城県地震だが、茨城県沿岸沖合を震源としている大規模な地震は、1896年、1923年、1924年、1943年、1961年、1965年、1982年と過去に何度も発生している。2008年6月14日8時43分に発生したマグニチュード7.2の岩手・宮城内陸地震は他の同じ規模の地震に比べ、建物被害よりも土砂災害が多く発生した。2008年7月24日0時26分に発生したマグニチュード6.8の岩手県沿岸北部地震は、はじめは小さな揺れであったが、徐々に揺れが大きくなっていき、1分にもわたって揺れ続けたのが特徴。2009年8月11日5時7分に発生したマグニチュード6.5の駿河湾地震台風9号が接近していたため、早朝ではあったがテレビにて中継が行われていた。そのため、地震が発生した瞬間にも、中継が行われ、東名高速道路が路肩崩落により通行止となり、お盆の帰省ラッシュに大きな影響が出た。更に2010年代ですが、2010年2月27日3時34分に南米チリで、マグニチュード8.8のチリ地震発生。翌日に岩手県大槌漁港に1.4メートル、北海道根室市花咲港に0.9メートル、茨城県神栖市鹿島港に0.8メートルの津波が来襲。日本の気象庁は3メートル級の津波が来ると予想していたが、実際に来た津波は3メートルに満たなかった。これが住民の油断を招き、翌年の東日本大震災の被害を拡大したともいわれている。 2010年猛暑であるが当初、冷夏になると予想されていたが猛暑日年間日数で、埼玉県熊谷市群馬県館林市が41日間を記録。2010年12月31日から2011年1月2日にかけて発生した平成23年豪雪、福井市では25年ぶりに1メートルを超える積雪を記録、鹿児島市でも25センチメートルの積雪を記録した。年末年始であったため、Uターンラッシュにも影響し、特急列車が30時間以上立ち往生した。 新燃岳噴火は2011年1月から4月までにかけて、噴火活動が見られた。2011年の噴火では、火口の東側の512世帯約1,150人が避難、観光地として有名だった新燃池は消滅した。何といっても東北地方太平洋沖地震東日本大震災)であるが、2011年3月11日14時46分に発生したマグニチュード9.0の巨大地震マグニチュード9.0は、日本の観測史上最大規模であり、最大深度7が観測されたのは阪神淡路大震災新潟県中越地震以来、3回目である。死者・行方不明者は1万8,434人とされており、第二次世界大戦後最悪の自然災害とも呼ばれている。犠牲者の多くが津波による被害である。2011年3月12日3時59分に発生したマグニチュード6.7の長野県北部地震(栄村大震災)。長野県下水内郡栄村で大きな被害が見られたため、「栄大地震」「栄村大震災」とも呼ばれている。2011年4月11日17時16分に発生したマグニチュード7.0の福島県浜通り地震平成23年台風12号は2011年8月25日に派生し、9月3日高知県に上陸した台風で岡山県鳥取県を縦断し土砂崩れ、河川氾濫などの被害をもたらした。死者・不明者は92人。被害総額は少なくとも1236億円とされている。平成25年台風26号は2013年10月11日に発生し、10月16日関東地方にきた台風だが、伊豆大島で甚大な被害が生じたため、「伊豆大島土砂災害」とも呼ばれている。2013年猛暑は2013年7月から8月にかけて全国的に猛暑に。山梨県甲府市では40.7度を観測、高知県四万十市では、観測史上最高となる最高気温41.0度を観測した。平成26年豪雪は2014年2月8日から16日にかけて発生、ソチオリンピックが開催されていた時期でもある。岐阜県山梨県・長野県では孤立し、ライフラインや物流が途絶えた。首都圏では私立大学の入学試験が行われていたため、一部の大学で時間の繰り下げや、日程の振り替えが行われた。2014年広島市土砂災害は7月30日から8月26日にかけて、西日本を豪雨が襲っていた。被害のあった集落はかつて「蛇落地悪谷(じゃらくじあしだに)」と呼ばれており、古くから水害が起こりやすいことが指摘されていた。2014年9月27日11時52分、長野県と岐阜県の県境にある御嶽山が噴火。2007年の噴火と異なり、前兆が観測されておらず噴火警戒レベルは1であったため、登山客が多くいた。57人の登山者が犠牲になった。 平成28年熊本地震とは2016年4月14日以降、熊本県大分県で相次いで発生した地震を指す。4月14日21時26分、マグニチュード6.5の地震が発生。4月16日1時25分、マグニチュード7.3の地震。この時点で、熊本県益城町では震度7を2回観測している。その後、2016年4月16日3時55分にもマグニチュード5.8、最大深度6強の地震が発生。震度5以上の地震が、約30回熊本・大分を襲った。東海大学阿蘇キャンパスの学生寮が倒壊し、学生12人が生き埋めになった。この地震による被害者数は267人。この時点で、熊本県益城町では震度7を2回観測している。北海道には8月17日からの1週間で、台風第7号、第9号、第11号が上陸。8月30日台風第10号が岩手県に上陸。北海道に上陸する前に、温帯低気圧へとなるのが一般的であるため、1年間で3個の台風が北海道に上陸したのは、統計史上初である。これらの台風による死者は28人。2018年6月18日7時58分に発生したマグニチュード6.1の大阪府北部地震は首都直下型地震では、観測史上最大の震度である。西日本豪雨は2018年6月28日から7月8日にかけて、西日本を中心に発生した豪雨で気象庁は「平成30年7月豪雨」と命名している。台風7号と梅雨前線によって大雨がもたらされた。豪雨による死者は227人。2018年猛暑では埼玉県熊谷市で日本歴代最高となる41.1度を観測、岐阜県下呂市岐阜県美濃市で41.0度を観測した。41度をこえたのは、観測史上初である。熱中症患者が続出し、死者は133人にのぼった。平成30年台風21号は2018年8月28日に発生し、9月4日に日本に上陸した台風で最低気圧は915ヘクトパスカルと、非常に強い勢力で上陸した。最大風速は大阪府関空島で58.1 m/秒。関西国際空港では、連絡橋にタンカーがぶつかり崩壊。利用客3,000人と職員2,000人が孤立状態になった。 2018年9月6日3時7分に発生したマグニチュード6.7の平成30年北海道胆振東部地震では苫東厚真火力発電所が被害をうけたことから、北海道全域で停電が発生。北海道全域が停電になるのは、北海道電力創立以来初のことである。
こういった平成の一時期があったことを振り返り先人たちが辛い経験をしておきながら、また被害がうまれてしまった、というのはとても悲しいことであると感じています。犠牲になった人たちのために残されたわたしたちができることはなにか、さらにこれから生きる人たちのためにできることはなにか、考えてみましょう。
   2019(平成31)年4月30日(木)平成最後の日に寄せて