大谷翔平 第1試合で初完封 第2試合で2打席連続38号ホームラン

記念すべき試合です。例によってNHKニュースよりの転載です
 
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大谷翔平 第1試合で初完封 第2試合で2打席連続38号ホームラン

大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が27日、タイガースとのダブルヘッダー2試合に出場し、第1試合で大リーグで自身初となる完封勝利で9勝目を挙げたあと、第2試合で2打席連続ホームランを打ちました。

 

 

ダブルヘッダー第1試合 先発ピッチャー兼指名打者

エンジェルスとタイガースの試合は26日の試合が悪天候のため中止され、27日は、相手の本拠地デトロイトダブルヘッダーが組まれました。

大谷選手は当初、28日の試合に登板予定でしたが、1日前倒しして第1試合に中5日で先発ピッチャー兼2番・指名打者で出場しました。

大谷選手は1回、155.7キロの速球で空振りの三振を奪うなど持ち味の力強いストレートを軸にピッチングを組み立てると、2回に2つ目の三振を奪って今シーズンの通算奪三振数を「150」としました。

さらに3回には、150キロ台後半の速球で2つの三振、4回には、変化球で2者連続三振を奪いました。

5回の先頭バッターに初めてヒットを打たれましたが、続くバッターをサードゴロのダブルプレーに打ち取るなど、7回まで相手打線に二塁を踏ませませんでした。

大谷選手は6対0で迎えた9回もマウンドに立ち、最初のバッターをセカンドライナー、続くバッターは154.9キロの速球で空振りの三振としました。そして、3人目のバッターを力がこもった156.9キロの速球でセンターライナーに打ち取りました。

この結果、エンジェルスが6対0で勝ち、大谷選手は大リーグ6年目で初めてとなる完封勝利で、今シーズンの通算成績を9勝5敗としました。球数は111球で、三振8つを奪い、与えたフォアボールは3つ、打たれたヒットはわずか1本でした。

ダブルヘッダー第2試合 指名打者で先発出場

続く第2試合も2番・指名打者で先発出場した大谷選手は、1回の第1打席は見逃しの三振でしたが、2回の第2打席、3点を先制したあとなおも2アウト一塁の場面で150キロ台の速球をとらえレフトへ今シーズン37号のツーランホームランを打ちました。打球速度は173.1キロの鋭い当たりでした。

さらに、大谷選手は4回の第3打席で、再び150キロ台の速球を打ち今度は右中間へ2打席連続となる38号ソロホームランを打ちました。打球速度は188.1キロと37号を上回る痛烈な打球でした。

ホームランを打ったあと大谷選手は、左手で脇腹のあたりを気にしながら走る様子が見られ、その後、7回にまわってきた第4打席で代打が送られて交代しました。

球団によりますと、交代の理由は筋肉のけいれんによるものだということです。

この試合、大谷選手は3打数2安打3打点の活躍で打率が2割9分8厘に上がりました。エンジェルスは、ダブルヘッダー第2試合も11対4で勝って4連勝としています。

ネビン監督「あすの出場に問題ない」

エンジェルスのネビン監督は、28日の2勝で監督代行に就任した去年から含めて通算100勝となり、試合後はビールなどをかけられて祝福を受けました。

顔などがぬれたまま会見に応じたネビン監督は、大谷選手の交代理由について「ただ体がけいれん、つっただけだ。あれだけの運動量だったからね」と説明しました。

チームは28日から始まるブルージェイズとの3連戦に向け、試合後すぐにカナダのトロントに移動しましたが、ネビン監督は大谷選手が28日に指名打者として出場できるか問われると「彼は大丈夫だ。水分をしっかりとって今夜はたくさん寝るだろう。あすの出場には問題ない」と話していました。

菊池雄星投手が所属するブルージェイズは現在57勝46敗で、アメリカンリーグ東部地区の3位につけています。

各地区の2位以下で上位3チームが進めるワイルドカードでのプレーオフ進出争いで3位のブルージェイズに対してエンジェルスは3ゲーム差の6位で追いかけていて、ともに負けられない直接対決となります。

この3連戦で大谷選手と菊池投手はともに登板の予定はなく、28日の第1戦の先発はエンジェルスがトレードで加入したばかりのジオリト投手、ブルージェイズはここまでリーグトップの162奪三振をマークしているガーズマン投手の予定です。

ダブルヘッダーで完封とHR 大リーグ史上初

大リーグでダブルヘッダーの試合に出場し1つの試合で完封した選手が、もう一方の試合でホームランを打ったのは大谷選手が史上初めてです。

また、1日に1人の選手が完封とホームラン2本を記録するのは大リーグでは1971年以来、史上5人目だということです。

1971年6月にはフィリーズのリック・ワイズ投手がノーヒットノーランを達成した試合でホームラン2本を打ったという記録が残っています。

ただ、1973年に大リーグで指名打者制が導入されて以降では、大谷選手が初めての達成者になります。

大谷選手が1試合で2本のホームランを打つのは今シーズン4回目、通算16回目です

第2試合は第1試合からわずか40分後

午後1時10分 タイガース戦 第1試合開始

午後3時26分 大リーグで初完封勝利をあげる

午後4時11分 タイガース戦 第2試合開始

午後4時45分 今シーズン37号ツーランホームラン

午後5時35分 2打席連続となる今シーズン38号ソロ

※時間はアメリカ東部時間

大谷の独り舞台にどよめきも

ダブルヘッダーの第1試合に投打の二刀流で出場して大リーグで自身初となる完封勝利をあげた大谷選手が、そのわずか40分後に始まった第2試合で打った2打席連続のホームランにスタンドの観客は敵味方関係なく拍手をおくるとともに、大谷選手の独り舞台にどよめきも起きていました。

これで、ホームラン王争いでは2位のホワイトソックス、ロバートJr.選手に10本差をつけました。大谷選手がこのままのペースでシーズン終了まで打ち続けると59本に到達するペースとなっています。

 

エンジェルスGM 大谷のトレード否定 さらなる補強に意欲

エンジェルスのミナシアンゼネラルマネージャーが27日、大谷翔平選手について「今後もチームにいてほしい選手だ」と話し、改めてトレードでの放出を否定するとともに来シーズン以降の残留を希望しました。

大谷選手をめぐっては、大リーグのトレード期限が来月1日に迫る中、26日、アメリカの複数のメディアが「エンジェルスが大谷選手をトレードしないことを決めた」と相次いで伝え、エンジェルスはホワイトソックスから実績のある主力投手2人を獲得しました。

これを受けて、ミナシアンゼネラルマネージャーは27日の試合前にデトロイトコメリカパークで取材に応じ、「翔平は特別な選手で、すごいシーズンを送っている。チームも勝つチャンスがある。だから、チームをより良くしようと思った」と補強の狙いを説明しました。

その上で、ミナシアンゼネラルマネージャーは「翔平に直接、『君をトレードしないよ』と言ったことはないが、これまでも私は会見の場などで彼はどこにも行かないと言ってきた。みなさんが信じたかどうかはわからないが、何度も言っているようにわれわれは彼を愛している。今後もチームにいてほしい選手だ」と話し、改めてトレードでの放出を否定するとともに来シーズン以降の大谷選手の残留を希望しました。

また、今後さらなる補強についても「可能ならプッシュし続け、さらに選手を加えたい」と意欲を見せ、何としても2014年以来となるプレーオフ進出を成し遂げたいという決意を示しました。

一方、エンジェルスは新たに獲得した選手を登録するために、おととしホームラン29本を打ってオールスターゲームにも出場した内野手のウォルシュ選手を大リーグの40人枠から外して事実上の戦力外とするなど、補強に伴う選手の入れ替えも激しくなっています。

トラウト「彼はどこにも行かないと思っていた」

エンジェルスのトラウト選手は、27日の試合前に取材に応じ、大谷選手がトレードされないという報道について「ビッグニュースだ。翔平に関するあらゆる臆測があったが、自分は彼はどこにも行かないと思っていた。良かったし、興奮した」と笑顔を見せて喜びました。

トラウト選手は、39歳になる2030年までエンジェルスと契約を結んでいて、ことし3月にはこのオフにFA=フリーエージェントになる予定の大谷選手について「残ってもらいたいし、自分にできることはなんでもする」と話し、大谷選手が来シーズン以降も残留することを強く望んできた1人です。

この日、報道陣から「大谷選手に残ってもらうように話をしているか」と聞かれたトラウト選手は「そういう話はまったくしていないが、この夏のトレードで選手を獲得したことでフロントオフィスから勝ちたいという明確なメッセージが送られたと思う。僕たちはみな彼に戻ってきてほしいと思っているけど、FAは彼の決断だ。年末にははっきりするのでどうなるか見守ろう」と話していました。