日経平均株価 バブル期につけた史上最高値を更新

例によってNHKニュースよりの転載ですがこれで潮目がかわるのか注目しましょう

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日経平均株価 バブル期につけた史上最高値を更新   2024年2月22日 15時32分 

 

22日の東京株式市場、日経平均株価は、バブル期の1989年12月29日につけた終値としての史上最高値を更新して3万9098円68銭まで上昇しました。日経平均株価がバブル絶頂期の水準を超えたことで、日本経済がバブル崩壊後、失われた30年と呼ばれた低迷期を本格的に脱することができるかが焦点となります。

“失われた30年”低迷期脱出なるか

22日の東京株式市場は日本時間のけさ、アメリカで発表された大手半導体メーカーエヌビディアの決算が市場の予想を上回る好調な内容となったことを受けて取り引き開始直後から多くの銘柄に買い注文が集まりました。
そして、午後の取り引きが始まった直後に日経平均株価の値上がりの幅は700円を超え、1989年12月29日につけた取り引き時間中の史上最高値、3万8957円44銭を上回って3万9000円台まで上昇しました。
その後も上昇幅を拡大し日経平均株価は取り引き時間中に3万9156円97銭をつけました。
終値でも1989年12月29日につけた史上最高値、3万8915円87銭を更新し、21日の終値より836円52銭、高い3万9098円68銭で取り引きを終えました。
東証株価指数、トピックスは33.41、上がって2660.71。1日の出来高は17億6948万株でした。
日経平均株価はバブルの絶頂期にピークをつけてから再びこの水準に回復するまでに34年2か月かかりましたが、日本経済がバブル崩壊後、失われた30年と呼ばれた低迷期を本格的に脱することができるかが焦点となります。

鈴木金融相「市場の魅力高める取り組み 進める」
鈴木金融担当大臣は、東京株式市場で取り引き時間中の史上最高値を更新したことについて、22日午後の衆議院予算委員会で「株価の日々の動向は経済状況や企業の活動などさまざまな要因で決まるものであり、金融担当大臣として特定の要因についてコメントするのは控えなければならない。金融庁として引き続き市場の動向を注視していきたい」と述べました。
そのうえで鈴木大臣は「株式市場の規模や流動性は30年前と比べて大きく成長していると見ることもできる。金融庁としては、引き続き上場企業の中長期的な成長力向上や株式市場の魅力を高めるための取り組みを進めていきたい」と述べました。

12:30ごろ 史上最高値更新に証券会社では大きな歓声
東京・中央区の証券会社のコールセンターでは値上がりへの期待から、午後の取り引き開始前、社員から「30秒前」とか、「3、2、1」といったカウントダウンの声が上がっていました。そして、午後の取り引きが始まってすぐ、日経平均株価がバブル期につけた取り引き時間中の史上最高値を上回ると、社員たちから大きな歓声が沸き起こりました。
そして、責任者が株価が表示されるディスプレイの前に立ち、「史上最高値、おめでとう」と述べて、午前に続いてくす玉を割ると、社員たちからふたたび拍手が沸き起こっていました。
さらに、その直後、日経平均株価が3万9000円台を付けると、社員から「9000円台をつけた」と、大きな声が上がっていました。その後も、投資家からの電話が相次ぎ、社員たちは注文の対応に追われていました。

バブル絶頂期からこれまで
《バブル絶頂期》
バブル絶頂期の1989年、1年の取り引きを締めくくる12月29日に日経平均株価は、取り引き時間中に3万8957円44銭をつけました。
この日は3万8915円87銭で取り引きを終え、これが終値としての最高値となっていました。
バブル崩壊後》
その後、バブルは崩壊。金融機関が相次いで経営破綻するなどのいわゆる金融危機も起き、株価は長い低迷の時代に入ります。
日経平均株価リーマンショック後の2008年10月には、バブル崩壊後の最安値を更新して一時、7000円を割り込みました。
アベノミクス~》
この流れが変わったのが、2012年。当時の安倍政権の経済政策、いわゆる「アベノミクス」です。
よくとし(2013年)4月には当時の日銀・黒田総裁が大規模な金融緩和を打ち出しました。海外の投資家を中心に日本株を買う動きが強まり、株高が進みました。
その後、新型コロナの感染拡大で株価が大きく値を下げる場面もありましたが、日本やアメリカなど各国が金融緩和策を強化したことなどから、2021年2月には3万円台に到達しました。
《ことし》
日経平均株価はことしになって急ピッチで上昇しています。年明けに3万3000円台の取り引きで始まりましたが、今月13日には3万8000円台をつけ、22日取り引き時間中の史上最高値、3万8957円をおよそ34年ぶりに更新しました。

株価の上昇 このあとも続くか?
市場関係者は株価を左右する要因として、当面は、アメリカの利下げや日銀のマイナス金利の解除など日米の金融政策の転換のタイミングのほか、不動産不況などを背景に減速傾向が続く中国経済の動向などをあげています。
11月に行われるアメリカの大統領選挙など、重要な政治イベントが株価に影響するという指摘もあります。
一方で、国内企業の堅調な業績が続くかや、持続的な賃上げを通じて賃金が物価上昇に追いつき、デフレから完全に脱却できるのかなど、日本経済そのものの動向も大きなカギを握っています。

株高の効果は?
株価は「景気の先行指標」とも言われます。
株価が上昇すると個人の投資家は値上がりによる利益で資産が増え、消費にお金を回すという「資産効果」が期待されます。ただ、今月(2月)、発表された去年10月から12月のGDP国内総生産の成長率は、2期連続でマイナスとなり、物価高が続く中で、個人消費はさえない状況が続いています。ことし拡充された優遇税制「NISA」によって投資のすそ野は広がりつつありますが、投資余力のない人もいて、株価上昇の実感が、より多くの人へと広がるかが焦点です。
このほか株価上昇の効果としては、公的年金の積立金を運用するGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人企業年金の運用実績が高まることなどが見込まれます。また、企業が資金を調達しやすくなり、設備投資や人材への投資が活発化する可能性もあります。
さまざまな経路を通じて、人々の資産形成や景気への前向きな見方につながっていくかがポイントとなります。

11:30ごろ 証券会社では歓声上がる
東京 中央区にある証券会社のコールセンターでは、22日の取り引きが始まる前から投資家からの問い合わせが相次ぎ、社員たちが、発表されたばかりのアメリカの大手半導体メーカーエヌビディアの決算の内容や、半導体関連の銘柄の株価の見通しなどについて説明に追われていました。
取り引き開始後は、株価が値上がりするにつれて、社員たちからは「もう少しだ」とか「上がれ上がれ」といった威勢のいい声が上がり、午前10時すぎにバブル期につけた終値としての史上最高値を上回ると、歓声が上がりました。
そして、責任者が株価が表示されたディスプレイの前に出て「皆さん、新しい時代のスタートです。皆さんで日本経済を盛り上げていきましょう」と呼びかけたあと、脇に設置されたくす玉を割ると、社員たちから大きな拍手が沸き起こっていました。
午前の取り引き終了後、バブル期に入社したという56歳の男性社員は、「終値としての史上最高値を超えるまで長かった。私が入社した時がバブルの最後で、高値をつけたあと、転落した。感慨深いです」と話していました。
また、54歳の男性社員は「株価が上がらないのが当たり前でこんな時が来るとは思わなかった。もう少しのところで足踏みしていたので、やれやれといった感じだ」と話していました。

11:30ごろ 大和証券グループ本社社長「日本が変わった証し」
東京 千代田区にある大手証券会社のトレーディングルームでは、22日の取り引きが始まると、職員があわただしく電話で株式の売買の注文をさばいていました。
そして、午前10時すぎに日経平均株価が一時、バブル期につけた終値としての史上最高値を上回ると、職員たちからどよめきとともに歓声と拍手が巻き起こっていました。
午前の取り引きが終了したあと、大和証券グループ本社の中田誠司社長が取材に応じ、「象徴的な数字を超えたことは日本がいろいろな意味で大きく変わった証しで意義は非常に大きい。年末に向けて、好調な企業業績を維持できれば日経平均株価は4万3000円台まで上昇する余地があると思う。日本は、長らくデフレ経済で、現金で持っていれば資産価値が目減りしないため、有価証券を運用するインセンティブが働かなかったが、先月からNISAも拡充され、今後は全く違う景色が見えると期待している」と話していました。

11:00ごろ 齋藤経産相「潮目の変化」
日経平均株価が、バブル期につけた終値としての史上最高値を一時、上回ったことに関連して、齋藤経済産業大臣は、22日の閣議のあとの会見で「100兆円規模に達しつつある国内投資や、3.5%を超える賃上げの双方が、30年ぶりの高水準となっていて、現在、日本経済には、潮目の変化が見られる」と述べました。
そのうえで「こうした変化の兆しを確実なものとし、『コストカット型経済』から投資、賃金、物価も伸びる『成長型経済』に転換できるようこの機を逃すことなく積極的に取り組んでいきたい」と述べました。

10:00ごろ 新藤経済再生担当大臣「動向を注視していきたい」
日経平均株価がバブル期につけた取引時間中の史上最高値に迫る水準となっていることに関連して、新藤経済再生担当大臣は、閣議のあとの記者会見で「物価上昇を上回る賃上げを目指し、生産性の向上などの対策も強力に打っている。そのなかで企業が工夫と努力によって業績を上げていくことが、日本経済全体の力になり、それらと株価が連動することもあると思う。動向を注視していきたい」と述べました。