料理雑感

   下半身よれよれ状態で外出が思うに任せず毎日テレビだけがお友達ではあまりに情けないので暇に任せて長文にトライしてみました。食べることなら誰しも関心があることだろうと選んだテーマです。

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料理雑感。
   中華まん・肉まん・豚まん等色々呼び名がありますが今回は60年以上なじんできたこの食べ物をとっかかりに料理について考えてみました。あくまで食べ物なので所詮人それぞれ趣味、趣向、好き嫌いの問題かと思いますが店によってこれほど様々で食べ比べ甲斐がある食品も珍しいと思います。店の商品を購入したり自作したりしてこれが決め手だと思えることを考えてみました。直接の原型となったのは中国の「包子(パオズ)」であるとされ、名前の元は包子では無く、「饅頭 (マントウ)」という中国の蒸しパンです。現代の中国においては、具のないものは饅頭、具のあるものは包子と呼ばれています。日本においては、中身の具材も独自の発展を遂げています。まず万頭は蒸し料理だと言う事ですが蒸し料理の特色は食材の「うまみ」を外に出さずに閉じ込めるという基本的な特色です。餡を包む万頭の皮の部分も大事な要素ですがそのため小麦粉の種類や特性を知って料理に生かすことが決め手になります。食感での決め手はふわふわか、モチモチか、ぱさぱさかといった触感ですが粉の使い分けが決め手です。材料の小麦粉ですが薄力粉、強力粉の割合が食感に影響してきます。自作では5:5でやっています。また皮自身の味も大事です。中の餡とのコラボなので決め手の一つです。少し甘めがいいでしょう。甘味料(砂糖)の割合ですが概ね粉の量の2割から2.5割ぐらいが良い感じですが、長年自作してきた結論です。実際作っているときはこんなに入れて大丈夫かいな多すぎではと不安に感じますが意外と蒸してみると甘みが感じられないことが多かったのですがそういった経験を踏まえての分量です。粉を練るときに使う水分は牛乳と卵ですが水は使っていませんが概ね粉1kgに600ml程度でいっぺんに入れずにこね具合を見て足してゆくやり方がお勧めです。水分量によって出来上がりのふわふわ感がかなり違いますので決め手の一つです。さらに皮の部分は何といってもイースト菌の発酵が決め手になります。生地をこねるのは、グルテンを出すためです。しっかりとしたグルテンが形成されると、イーストが活動して発生した炭酸ガスを風船ゴムのようにふくらませてくれます。上達への近道は、まず作ってみて失敗したら原因を考えてみることだと思います。試行錯誤を重ね、その繰り返しをすることにより、経験値が上がり、少しずつ上達していきます。発酵に必要な温度は25℃~30℃といわれていますが家庭でこの状態を作り出すのは容易ではありませんが簡単な方法をお教えしましょう。捏ねボールがすっぽり入りそうな大きな蒸し器を使うことです。これだと失敗は皆無です。蒸し器に熱湯を張り布巾を敷き生地をこねたボールにラップをフワッと乗せ約3時間毛布でくるんでおけばあら不思議ラップに生地がべったりくっつくぐらいに膨らんでいます。この膨らんだ生地をもう一回軽く捏ねてガス抜きしますがこれが一次発酵でこの生地を等分に分割し餡を包むのです。1kgの粉で24等分して餡を包むと蒸した後ちょうど良い大きさになります。次は餡ですが作り手の数くらい様々な餡が可能です。大きく分けて調理済みの具をそのまま餡にする、生の具を入れ蒸す、調理済みの具と生肉を混ぜたものの3種類でしょう。通常豚ひき肉を使いますが決め手の一つは肉そのものの味が出せるかです。ひとつの方法として肉はバラ肉を使い塊で購入し刻んで自家製ひき肉を作ります。7~8ミリ程度の薄切り肉をさらに棒状に刻み更に角切りにします。この程度の大きさが肉の味がしっかり残る程度の一番細かな自家製粗ひき肉です。野菜はなるべく水分が少ないものにします。食材として思いつくものを上げておきます。玉ねぎ、筍、椎茸、きくらげ、レンコン、シナチク、搾菜、帆立の干し貝柱、干しエビ、フカヒレ、ウズラの卵等何でもOKでしょう。調味料は醤油、オイスターソース、酒、みりん、塩、甜面醬、砂糖、ごま油等、他に木の実例えばクルミ,松の実など香辛料は胡椒、八角、更に生姜、長ネギ等々です。これらの食材の組み合わせの妙が味の決め手です。毎回全く同じような味を出すのがプロですが趣味でやる料理は毎回全く異なる味でもこれはこれでうまいというものを作ることだと思っています。レシピとしては食材の分量を提示するのが良いのでしょうが趣味でやる料理はこれが難しいのです。味見をしながら全く適当にやるのが面白いのです。冷蔵庫を見渡してあるものでチャーハンを作ってみてください。パラパラチャーハンは結構難しく大体最初はベチャベチャになってしまいますが何回か挑戦すればプロ並みにすぐなれるでしょう。趣味の料理は繰り返してやることが上達の早道で、砂糖と塩を間違えるようなことさえしなければ失敗しても捨てずに食べられるので食べた結果を評価し何が良かったか悪かったかが分かればどんどん身についてゆきます。何にでも基本がありますがやはり人に教わるか本を読んであとは独学実行あるのみです。包丁の研ぎ方、使い方、食材の切り方、大きさ、出汁の取り方、調味料を入れるタイミング、順序、煮炊きする温度・時間等その気で調べれば教材はパソコンの中に無数にあります。包丁の使い方の練習ですがキャベツの千切りをするのが上達の近道です。現在はスライサーのような道具がありますが商売でやるならいざ知らずそんな道具を使わなくてもキャベツの千切りが上手く早くできれば包丁一本で何でもできます。牛刀包丁は世界中で広く使われている西洋の万能包丁ですが、包丁も種類がありいろいろ持っていると便利です。出刃包丁や柳刃包丁(刺身包丁)などその典型でしょう。中華包丁などもあると便利です。

 ところで料理の面白さは何なのでしょう。趣味として料理をおすすめする主な理由は、 無心になれる・気分転換できる・食べたいもの、作りたいもの、食べさせたいものを作れる・五感を満喫させられる ・段取り力・マルチタスク能力・市場(相場や流行)感覚・ 創造力等々でしょうか。更に料理を趣味にする10のメリットとして心をリラックスさせることができる・新しいスキルを習得することができる・創造力を育むことができる・健康的な食事を作ることができる・経済的なメリットがある・安心感を持って食事をすることができる・家族や友人との交流が深まる・人間的な魅力が高まる等無理やりひねくりだすとこういう事でしょうか。一般的に得意料理のランキング結果は1位 卵焼き、2位 味噌汁 3位 ハンバーグ、4位 カレー、 5位 豚汁、5位 煮物、7位 だし巻き卵、8位 唐揚げだそうですが入門としてはなるほどと思いますが本格的にやると結構難しいかもしれません。以下専門書からの受け売りですが理屈をこねると以下のようなことでしょうか。日本料理を調理する上で大切な事は、五味・五感・五色・五法と言われています。季節や食材の調理法、見た目の美しさやお客様の好み、もてなしの心と感謝の気持ちなどの全てがうまく融合し、お客様に満足を演出する事が料理人として大切な事です。五法は「生」(切る)、「煮る」、「焼く」、「蒸す」、「揚げる」の5つの基本の調理法のことです。基本的な会席料理では、これらの調理方法で作られた料理として、「生(切る)」刺身、「煮る」煮物、「焼く」焼き物、「蒸す」蒸し物、「揚げる」揚げ物を提供します。「生(切る)」は日本料理では特に重要視されます。それは刺身をはじめ生で食べるものが多いという日本料理の特徴の現れでもあります。刺身を引くためには、熟練した庖丁さばきが求められ、料理に季節感や華やかさを添える飾り切りも切る技術が必要になります。また、食材によっては、お客様がより食べやすいように切る事も、料理人の技術といえます。「煮る」は材料を「だし」や水、調味液の中で加熱して素材を食べやすく、(消化しやすく)柔らかく、おいしく変化させる調理法です。「焼く」は素材を直接火に当てて加熱調理するもの、あるいは鍋やフライパンで油を加えて間接的に加熱して調理するものです。「蒸す」は容器の中で水蒸気を循環させて素材に熱を通す方法で、日本料理では蒸すという調理法を利用した料理は非常に多く、いろいろな目的、形態で変化に富んだ蒸しものが作られています。「揚げる」は油脂を媒体として素材を加熱する調埋法で、140℃~210℃という高い温度の調理のため、素材の旨みを逃がさず、短時間で急速に火を通すことができます。五味には、「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」があります。「甘味」と「酸味」と「塩味」 には、単一の味しか感じませんが、「苦味」には、多くの味に違いがあります。例えば、チョコレートの苦味と玉ねぎの苦味に違いがあるように、そして五番目の「うま味には、代表格が昆布に含まれるグルタミン酸ですが、別々の成分であるが鰹節や、乾燥シイタケ、貝類からも多くのうま味が抽出できます。また、うま味は日本料理の最も大切なだしの原点の味でもあります。五色ですが、日本料理は、調理や盛り付けに5つの色を大切にします。その色は赤、黄、青(緑)、白、黒の五色で、日本料理の盛り付けの素晴らしさはこの五色を使って表現しています。赤と黄色は暖色系の色で食欲を増し、青は清涼感を感じさせ、白は清潔感を感じさせ、黒は料理を引き締める色と言えます。盛り付けには、器の色を考え料理を盛り付け、添えられる葉や花などの演出も含め、見た目の料理の美味しさを五色の視覚的な要素を加え、食事の視覚的な楽しみを増やします。五感とは、「視覚」・「聴覚」・「嗅覚」・「触覚」・「味覚」のことを指します。私たちはこの五感を使って美味しさを判断しています。大切な事ですが料理は味だけで決まるのではなく、視覚の見た目の美味しさや、聴覚による自然界の音や食材を噛んだ音で、期待感や美味しさを感じ、香りによって季節を感じ、口に入れ、噛んだ触感で美味しさを感じ、料理を食して美味しい料理を味わうといことで、料理の美味しさは、五感を駆使して味わいを感じるのです。その為にも、料理を作る者は、色々な事を考えそして、料理を創りあげることが大切です。料理を創るとは、いかに食べ手側の思いを読んで作り上げるということであり、日本の「おもてなし」と言えるのです。

 蛇足ですが中華料理はミックスの味、フランス料理はソースの味、イタリア料理を一言で表すのは無理でパスタにピッツァ、ジェラートに生ハムなど、世界中にその食文化が広がったグルメの国。現地に行ったらぜひ本場の味を楽しみたい料理やスイーツが目白押しです。ドイツ料理といえばジャガイモで日本における白米と同じような存在で、もう一つの主食であるパンを日に二食、ジャガイモは一日一度、必ず食べるのだそうです。ソーセージやアイスバインなどどちらかといえば質素で単純な調理法です。 イギリスにおける料理の特徴は、味より効率・実用性重視であるということがあげられます。基本的に薄味であり、ほとんど味がつけられていないこともあるようです。また、食材が過剰に加熱されており、つけ合わせの野菜の歯応えが残っていないことも多いです。産業革命下では、料理は美味しいことよりも、安くて栄養価があり、満腹になることが重視されていました。それが現在のイギリスの料理の特徴となっているようです。アメリカの料理・食べ物の人気ランキングですが 1位ハンバーガー ・ 2位フライドチキン ・ 3位ドーナツ ・ 4位フレンチトースト ・ 5位ピザ ・ 6位カップケーキ ・ 7位チョコレート ・ 8位カレーだそうですがなんと世界一の大国の料理は合理的ではあるがもう一つパッとしないものばかりと思わざるを得ません。何といっても居ながらにして世界各国の旨いものが食べられる日本は良い国です。あまりに常識的な落ちですがこれが本音です。                2024年3月12日