日経平均株価 終値で初の4万円台 史上最高値を更新

投資に関心があるものの一人として例によってNHKニュースよりの転載ですがこのニュースはやはり記録に残すべきでしょう

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日経平均株価 終値で初の4万円台 史上最高値を更新  2024年3月4日 16時10分
週明けの4日の東京株式市場、日経平均株価半導体関連の銘柄を中心に値上がりし、取り引き時間中、終値ともに初めて4万円を突破して、史上最高値を更新しました。
日経平均株価 終値で初の4万円台
4日の東京市場では、先週末のニューヨーク市場で、IT関連の銘柄が多いナスダックの株価指数が史上最高値を更新するなど、主要な株価指数がそろって上昇した流れを受けて、半導体関連の銘柄などに買い注文が出ました。
先週末に3万9900円台まで上昇していた日経平均株価は、取り引き開始直後に初めて4万円の大台を突破し、一時は4万300円台をつけ、史上最高値を更新しました。
その後は当面の利益を確定させようという売り注文も出て上昇幅は縮小しましたが、
日経平均株価、4日の終値は先週末の終値より198円41銭、高い4万109円23銭で終値としても4万円を超え、史上最高値を更新しました。
一方、▽東証株価指数、トピックスは3.14下がって、2706.28
▽1日の出来高は18億5955万株でした。
市場関係者は「日経平均株価は上昇したが、最上位のプライム市場でみると値上がりした銘柄の数は、全体の4分の1ほどにとどまった。急ピッチな株価の上昇には警戒感もある中、今の株価水準が定着するか見極める上で、市場では、今週、行われる日米の中央銀行の総裁による公の場での発言や、アメリカの雇用統計などの発表の内容が注目されている」と話しています。

「4万円を達成しました」証券会社で拍手
東京 中央区にある証券会社のコールセンターでは、午前9時前、株価を示すディスプレイに「60秒前」などとカウントダウンの表示が行われ、社員たちが取り引きの開始を待ちました。
そして、日経平均株価が4万円を超えると、「4万円を達成しました」という声が上がり、社員たちは拍手をしたり、クラッカーを鳴らしたりしていました。
36歳の男性社員は「最高値を突破したと思ったらあっという間に4万円を超えたので、証券マンとしてうれしく思います」と話していました。
岩井コスモ証券東京コールセンターの本間大樹センター長は「節目の4万円は1つの目標だったがここは通過点という見方をしている。1つ1つ節目を超えて値上がりしていくことが日本経済にもプラスの効果をもたらしていくと思っている」と話していました。

証券会社に売買注文などの問い合わせ増加
東京 港区にある証券会社のコールセンターでは、取り引き開始前から問い合わせの電話が鳴り始め、午前9時に取り引きが始まると、売買の注文などの問い合わせが一段と増えました。
この会社では、2月22日に、日経平均株価がバブル期につけた史上最高値を上回って以降、問い合わせの件数が前の年のおよそ1.7倍と過去最高のペースで増えているということです。
社員らは、顧客からの電話を受けるとすばやく注文内容を入力し、間違えないようパソコン画面を指さし確認しながら対応に追われていました。
みずほ証券東京第二コンタクトセンターの中山信和 副センター長は、「毎日電話が殺到していて、かなり忙しい状態だ。当然、常連さんからの電話は入ってきているが、口座を放置していたお客様の投資のマインドも上がってきている。この忙しい状況がしばらく続くだろうと意識しています」と話していました。

街の人は
日経平均株価が初めて4万円の大台を突破したことについて東京 新橋で聞きました。
40代の男性は「驚きました。まさかこんなに早く4万円を超えるとは思っていませんでした。このまま経済が上がり続けてくれればいいなと思います」と話していました。
60代の女性は「バブル以上になってしまったので、こんなことがあるんだと思いました。ただ、生活はそんなに良くなっているということはなく実感がありません」と話していました。
50代の男性は「株は上がっていますが給料はあまり変わっていないので実感はありません」と話していました。
40代の女性は「4万円を超えるとは思っていましたが、これから生活にどう直結するかが問題だと思います」と話していました。

岸田首相「市場関係者がポジティブな評価」
岸田総理大臣は参議院予算委員会で「私の政権になってから賃上げや投資の促進、科学技術イノベーションの推進に特に力を入れ、経済政策を考えてきた。日本経済の変革の足音に対し、マーケット関係者がポジティブな評価を行っていることは力強く思っており、こうした動きを定着させるため 構造的な賃上げを含む好循環が実現できるよう政府として取り組んでいく」と述べました。

官房長官「一喜一憂せず 日本経済の変革進める」
官房長官は午前の記者会見で株価の日々の動向にコメントすることは差し控えるとした上で「より多くの資金を貯蓄から投資に振り向け、企業がその資金を成長や投資に回し、恩恵が資産所得という形で家計に還元され、さらなる投資や消費につながるという好循環を実現したい」と述べました。
そして「こうした日本経済の変革に向けた取り組みに対して、マーケット関係者を含めてポジティブな評価があることは大変心強く思っており、株価の水準に一喜一憂せず、着実に進めていきたい」と述べました。

注目
《株価上昇 なぜ?》

【要因1】アメリカの株高
要因としてまず指摘されているのが、アメリカの株高です。
ニューヨーク市場では堅調なアメリカ経済や、AIの需要拡大を背景にした半導体関連の業績の先行きへの期待から株価の上昇傾向が続いています。
ダウ平均株価が史上最高値を更新し続けているほか、2月29日にはハイテク関連銘柄の多いナスダックの株価指数がおよそ2年3か月ぶりに史上最高値を更新、その後も上昇しています。
これを受けて東京市場でも半導体を中心に精密機器、電機など関連する業種の株価が上昇するという流れができています。
【要因2】日本企業の好調な業績
日本企業の好調な業績も株高の要因です。
ことしになって発表された企業の決算では、円安に加えて商品の価格転嫁が進んだことなどで幅広い業種で業績を伸ばす企業が相次ぎました。
【要因3】株価を意識した経営
日本企業が市場の評価を意識して改革に取り組むとの期待が高まっていることも株価上昇の要因と指摘されています。
背景には東京証券取引所が資本コストや株価を意識した経営に取り組むよう企業に求めていることがあります。
株高の局面にもかかわらず株主への還元策としていわゆる「自社株買い」などを打ち出す企業も相次いでいます。
【要因4】円安の進行
先月中旬以降、1ドル=150円前後の円安水準が続いていることで、輸出関連の企業の収益拡大への期待から株価が上昇しているほか、海外の投資家が割安な日本株を買う動きにつながっています。
【要因5】中国からの資金シフト
中国からの資金シフトが日本の株高につながっているという指摘もあります。
海外の投資家が景気が減速する中国から日本に資金を移しているという見方です。
【要因6】日銀の緩和継続姿勢
金融政策に対する安心感も好調な相場を支えています。
市場関係者の間では、日銀がマイナス金利を解除し、利上げに踏み切れば株安につながるのではないかとの懸念もみられますが、2月、日銀の植田総裁と内田副総裁が仮にマイナス金利を解除しても緩和的な金融環境を維持すると発言したことが投資家の安心材料となり買い注文につながっています。

注目
《バブル後の株価の推移 詳しく》

バブル絶頂期の1989年、1年の取り引きを締めくくる12月29日に日経平均株価は、取り引き時間中に3万8957円44銭をつけました。
この日は3万8915円87銭で取り引きを終えました。
その後、バブルは崩壊。
金融機関が相次いで経営破綻するなどのいわゆる金融危機も起き、株価は長い低迷の時代に入ります。
日経平均株価リーマンショック後の2008年10月には、バブル崩壊後の最安値を更新して一時、7000円を割り込みました。
この流れが変わったのが、2012年。
当時の安倍政権の経済政策、いわゆる「アベノミクス」です。
2013年4月には当時の日銀・黒田総裁が大規模な金融緩和を打ち出しました。
海外の投資家を中心に日本株を買う動きが強まり、株高が進みました。
その後、新型コロナの感染拡大で株価が大きく値を下げる場面もありましたが、日本やアメリカなど各国が金融緩和策を強化したことなどから、2021年2月には3万円台に到達しました。
日経平均株価はことしに入って、アメリカの株高や日本企業の業績への期待を背景に急ピッチで上昇しています。
年明けに3万3000円台の取り引きで始まりましたが、2月22日に、史上最高値を34年ぶりに更新。
その後も上昇を続け、4日、初めて4万円の大台を突破しました。