2020年水無月便り

皆様
お元気でお過ごしのこと何よりです。コロナ禍のもと、なかなか気分が晴れませんが皆様は如何でしょうか。
水無月の便りお届けします。

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2020年水無月便り
 こんにちは。今月のテーマはコロナ後の世界について考えていたのですがなかなか考えがまとまりません。少なくとも今までの何気ない日常がまるで異なってしまうと言う局面と何も変わらない局面がどの程度の割合かが想像できません。現役をリタイアーしてここ数年はほぼ毎日が引きこもり状態とはいえ社会とのかかわりの中で生活しているのですから社会の有り様とは無関係では生きられません。一時的な混乱で済むとも思えません。まったく新たな生活様式の始まりというべきなのでしょうが、しかし以下のようなことを想定するとぞっとします。個人的にはある部分は全く縁がない世界になってしまいましたがそれでも社会を構成する仕組みです。レストラン、カフェ、バー、ナイトクラブ、ジム、ホテル、劇場、映画館、アートギャラリー、ショッピングモール、クラフトフェア、博物館、ミュージシャンや他のパフォーマー、スポーツ施設(およびスポーツチーム)、会議会場(および会議主催者)、クルーズ会社、航空会社、公共交通機関、私立学校、デイケアセンターなど、多くの人が集まることを前提としているビジネスに大きなダメージが及ぶことがすでに始まっています。さらに、子どものホームスクールを強いられる親、新型コロナウイルスの感染を心配しながら高齢の家族の世話をする人、虐待されている人、収入の変動に対応できる経済的余裕がない人にストレスがかかることは言うまでもありません。しかし、たとえば、飛行機に搭乗するにはスマホを利用した移動追跡サービスに登録する必要が出てくるような世界が考えられます。航空会社は乗客がどこを訪れたかを確認することはできないが、乗客が既知の感染者や感染のホットスポット近辺にいたことがある場合は警告を受け取れます。大きな会場、政府の建物、または公共交通機関の中心となる施設の利用でも、同様の情報提供が求められるでしょう。あらゆる場所に体温スキャナーが設置され、職場では体温や血圧、心拍数などのバイタルサインを追跡するモニターの装着が求められるかもしれません。ナイトクラブの入り口の年齢証明の提示を求められる場所では、将来、免疫証明の提示を求められるかもしれない。最新のウイルスにすでに感染して回復したか、予防接種を受けたことを証明するため、身分証明書またはスマホを利用した何らかのデジタル検証などを提示する。ざっと考えてもこういう世界が現実になるかと思うと悲観的にならざるを得ません。これまで世界は何度も変化してきました。そして今また、変化しています。私たちは皆、新しい生き方、働き方、人間関係構築方法に適応する必要があるようです。しかし、他のすべての変化と同様に、すでに多くを失いすぎているのに、さらに多くを失うことになる人たちが存在しています。望まれる結果は、今回の危機の深刻さが引き金になり、最終的に国家が、多数の国民を極めて脆弱な状態に陥れる大きな社会的不平等の修正に向かうような方向性がうまれればと思う次第です。作家・劉慈欣さんはこう述べています。「中世欧州のペストや100年前のスペイン風邪ほど壊滅的ではないと思いますが、現代社会の脆弱(ぜいじゃく)性を浮き彫りにしたという意味で重要です。社会は高度な情報技術で結ばれ、望むと望まざるとに関わらず人類は一体化し、『牽一髪而動全身(髪の毛1本引っ張っただけで全身が震える)』という状態です。昔なら、今回のような感染症であれば人々の生活がこれほどまで耐えがたい衝撃を受けることはなかったでしょう。我々の生活は高度な技術で快適になりましたが、災難にはもろくなってしまいました」。
さて、現実としては政府が25日緊急事態宣言を全面解除したことを受け、企業活動も再開に向け本格的に動き出すでしょう。経済は段階的に正常化に向かうが、自由に移動や経済活動ができない「制限経済」の中では、当面の消費や人出などが平時の7割程度にとどまる見通しのようです。新型コロナウイルスとの共存を迫られるなか、感染防止策にも手を抜けません。さまざまな分野で「7割経済」を強いられる企業は、経済のニューノーマル(新常態)への適応力が問われることになりそうです。腹八分と言いますが、一度飽食に慣れた身体はそう簡単には脳内細胞が黙ってはいないでしょう。では御機嫌様さようなら。
2020年6月1日 

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