2020年如月便り

皆様
こんにちは。NY株式市場 ダウ平均600ドル超下落 新型肺炎懸念 とのニュースが飛び込んできました。
暫くは憂鬱な時間が続きそうです。皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか。
今月は少し真面目に環境問題をにわか勉強させてもらいました。
如月便りお届けします。

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2020年如月便り
 こんにちは。暖冬で喜ぶ人とそうでない人、悲喜こもごもといったのが世情でしょうか。冬は寒く夏は暑い、四季に見合った気候がなかなか難しいのがここ数年の日本の状況です。異常気象も世界的規模となり、いよいよ地球温暖と言われる温室効果ガスが大気中に大量に放出され、地球全体の平均気温が急激に上がり始めていると言う事を体感させられているのでしょう。地球の平均気温が変化することにより、さまざまな変化や影響が生じることが懸念されています。豪州の森林火災は地球環境への打撃が深刻ですが以下流行りのにわか勉強です。IPCCの第5次評価報告書はこのまま気温が上昇を続けた場合のリスクを、次のように示しています。
・高潮や沿岸部の洪水、海面上昇による健康障害や生計崩壊のリスク
・大都市部への内水氾濫による人々の健康障害や生計崩壊のリスク
・極端な気象現象によるインフラ機能停止
・熱波による死亡や疾病
・気温上昇や干ばつによる食料不足や食料安全保障の問題
・水資源不足と農業生産減少
・陸域や淡水の生態系、生物多様性がもたらす、さまざまなサービス損失
・同じく海域の生態系、生物多様性への影響
そして、これらのリスクは、温度の上昇の度合いによって、さらなるさまざまな影響を引き起こす可能性があると指摘されています。
・暑熱や洪水など異常気象による被害が増加
サンゴ礁や北極の海氷などのシステムに高いリスク、マラリアなど熱帯の感染症の拡大
・作物の生産高が地域的に減少する
・利用可能な水が減少する
・広い範囲で生物多様性の損失が起きる
・大規模に氷床が消失し海面水位が上昇
・多くの種の絶滅リスク、世界の食糧生産が危険にさらされるリスク
こういった気候変動に対する各国の関心が低く、効果的な対策がとられていないことも人類にかつてない危機をもたらしているといえるのでしょう。
「終末時計」の針を、残り「2分」だった去年から20秒進め、残り「1分40秒」と発表しました。これは冷戦期から現在までの間でもっとも短い残り時間です。こういったことを知ってか知らずか、トランプ第一主義のアメリカ大統領は、地球温暖化対策の推進を目指した国際枠組みであるパリ協定からの離脱を表明。離脱に関して、アメリカ国内では、意見が2つに割れていますが、京都議定書不参加を表明した2001年の頃には、不参加を批判する声はあったとしてもきわめて少数派、しかしこの20年間で地位が逆転しつつあるようです。この逆転を示す一例が石油産業ですが、新たに天然ガス開発や再生可能エネルギーにも力を入れるようになったことのような形勢逆転がありました。トランプ大統領の演説は、切れ味が悪く、パリ協定から離脱すると公言することで、自らの支持者に対して公約を守ったことをアピールすることには成功しましたが、地球温暖化は嘘であるといった問題そのものを否定する発言は聞かれませんでした。また、パリ協定の規則では早くとも2020年まで離脱できないため、今すぐに離脱したければその親条約である気候変動枠組条約から離脱するという選択肢があるわけですが、今回その選択肢は選ばず、パリ協定の再交渉を要求するだけにとどめました。離脱の姿勢だけは見せつつ実質的には離脱しない状況とほとんど変わらない可能性が示唆される内容となったわけです。今回のアメリカでの出来事は、パリ協定、そして国際的な温暖化対策の流れにどのように影響を及ぼすのでしょうか。かつて、京都議定書は、アメリカが離脱したことで効力が大幅に減退する結果を生じましたが、今回はむしろ、時代が変わったことを再確認する結果となったようです。パリ協定の長期目標である今世紀末実質排出量ゼロを実現するためには、パリ協定で決められている以上に対策を速める必要があるようです。人口減少がますます顕著になる日本社会で、温暖化による高温や異常気象に伴う自然災害をどれほどまで許容する覚悟があるのか、2050年時点でどのようなエネルギーを利用できるようになっていたいか、小泉大臣も折角の育児休暇中でご苦労な話ですが、「息子の時代」の為にも、親父さんやいろいろな人々の意見に耳を傾けての検討が必要かと思います。
2020年2月1日