台風21号は、4日(火)12時頃に徳島県南部に上陸しました。非常に強い勢力を保ったままでの上陸は1993年台風13号以来、25年ぶりのことです。また、今年の上陸は12、15、20号に続く4個目で、2014年以降、5年連続で平年を上回る上陸数になっています。
4日午後、関西空港の連絡橋に、台風による風であおられたタンカー船が衝突しました。船には当時11人が乗っていましたが、海上保安部によりますとけが人はないということです。関西空港海上保安航空基地によりますと、4日午後1時半すぎ、関西空港と大阪・泉佐野市を結ぶ関西空港連絡橋に、全長89メートル、1591トンのタンカー船が衝突しました。海上保安航空基地によりますと、乗組員11人にけがはないということです。タンカー船は関西空港の施設に燃料を運び終えて停泊していたところ、風にあおられて橋に衝突したということです。船は現在、エンジンがかからず自力航行ができなくなっているということで、海上保安部の隊員らが橋の上から船に降りて乗組員の救助などにあたっているということです。
強い台風21号は、神戸市付近に再び上陸したあと、北陸や東海などを暴風域に巻き込みながら北上しています。風や雨が強まり、近畿では潮位が上がって高潮による浸水も発生しています。暴風や大雨、高潮に厳重に警戒し、避難場所などで安全を確保してください。
気象庁の発表によりますと、強い台風21号は、神戸市付近に再び上陸したあと、午後5時には石川県小松市の北北西40キロの海上を1時間に65キロの速さで北北東へ進んでいるとみられます。中心の気圧は965ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルで、中心の南東側170キロ以内と北西側70キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。この時間、北陸や東海、それに近畿の一部が暴風域に入っていて、風や雨が強まっています。各地の最大瞬間風速は、福井県敦賀市で午後3時に47.9メートル、滋賀県彦根市で午後2時10分ごろに46.2メートルと、いずれも統計を取り始めてから最も強くなりました。このほか、岐阜市で午後3時40分ごろに39.3メートル、福井市で午後3時半ごろに34メートルの最大瞬間風速を観測しました。近畿や中部、四国の沿岸では潮位が急激に上昇し、これまでで最も高い潮位を観測したところがあり、高潮による浸水も発生しています。気象庁は、沿岸部や川の河口付近では直ちに安全を確保するよう呼びかけています。午後4時までの1時間には、いずれも国土交通省が設置した雨量計で、福井県大野市で61ミリ、石川県白山市で50ミリの非常に激しい雨を観測しました。これまでの雨で、山梨県、長野県、石川県、福井県、岐阜県、京都府、滋賀県、奈良県、徳島県では土砂災害の危険性が非常に高まり、土砂災害警戒情報が発表されている地域があります。気象庁によりますと、台風はこのあとも北上し、5日朝にかけて北日本の日本海側の沿岸を北上すると予想されています。
非常に強い台風21号は4日、大雨や暴風、記録的な高潮をもたらし、各地で被害が相次いだ。警察庁によると、大阪府と滋賀、三重両県で計9人が死亡。関西空港では高潮により冠水したうえ、タンカーが関空連絡橋に衝突するなどし、復旧の見通しはたっていない。
警察庁などによると、大阪府で7人、滋賀県で1人、三重県で1人の計9人が死亡。堺市堺区の70代男性や三重県四日市市の男性(70)は、屋根を修理しようとして転落死したとみられる。大阪府豊中市の集合住宅2階のベランダで倒れているのが見つかり、死亡した高齢男性も上階から転落した可能性があるという。滋賀県東近江市では倉庫が倒壊、社長の男性(71)が下敷きとなって死亡した。午後10時時点のまとめでは、大阪や岐阜、京都など13府県で計229人が負傷。住宅被害は11府県で全壊1棟、半壊1棟、一部損壊236棟、床上浸水2棟、床下浸水1棟に上った。避難勧告は石川や大阪など13府県で一時計約203万5千人に出され、避難指示は兵庫県など5府県で計約4万9千人。記録的な高潮は近畿の沿岸を襲い、兵庫県芦屋市の南芦屋浜地区や和歌山市雑賀崎の工業団地で浸水被害が発生。大阪海上保安監部などによると、大阪湾内に係留中だった数十隻の台船が漂流した。神戸市東灘区の六甲アイランド南側ではコンテナが多数流失し、兵庫県西宮市の西宮マリーナでは、係留中のヨットが桟橋ごと流された。寺社や観光地の被害も相次ぎ、奈良市の春日大社では国重要文化財の建物の屋根に木が倒れかかり、一部が破損。京都市では世界遺産・下鴨神社境内の糺(ただす)の森で、数十本の木が倒れた。嵐山では、渡月橋の東側の欄干が約100メートルにわたって倒れた。大規模な停電も起き、関西電力によると、午後11時時点で大阪や京都、兵庫など8府県で延べ約204万3千戸に及んだ。台風による被害に備え、JR西日本や私鉄の一部は予告運休を実施。空の便も乱れ、午後8時半までに、日本航空は国内線と国際線計325便、全日空は計334便が欠航した。交通の混乱は、一部で5日も続く見通し。
警察庁などによると、大阪府で7人、滋賀県で1人、三重県で1人の計9人が死亡。堺市堺区の70代男性や三重県四日市市の男性(70)は、屋根を修理しようとして転落死したとみられる。大阪府豊中市の集合住宅2階のベランダで倒れているのが見つかり、死亡した高齢男性も上階から転落した可能性があるという。滋賀県東近江市では倉庫が倒壊、社長の男性(71)が下敷きとなって死亡した。午後10時時点のまとめでは、大阪や岐阜、京都など13府県で計229人が負傷。住宅被害は11府県で全壊1棟、半壊1棟、一部損壊236棟、床上浸水2棟、床下浸水1棟に上った。避難勧告は石川や大阪など13府県で一時計約203万5千人に出され、避難指示は兵庫県など5府県で計約4万9千人。記録的な高潮は近畿の沿岸を襲い、兵庫県芦屋市の南芦屋浜地区や和歌山市雑賀崎の工業団地で浸水被害が発生。大阪海上保安監部などによると、大阪湾内に係留中だった数十隻の台船が漂流した。神戸市東灘区の六甲アイランド南側ではコンテナが多数流失し、兵庫県西宮市の西宮マリーナでは、係留中のヨットが桟橋ごと流された。寺社や観光地の被害も相次ぎ、奈良市の春日大社では国重要文化財の建物の屋根に木が倒れかかり、一部が破損。京都市では世界遺産・下鴨神社境内の糺(ただす)の森で、数十本の木が倒れた。嵐山では、渡月橋の東側の欄干が約100メートルにわたって倒れた。大規模な停電も起き、関西電力によると、午後11時時点で大阪や京都、兵庫など8府県で延べ約204万3千戸に及んだ。台風による被害に備え、JR西日本や私鉄の一部は予告運休を実施。空の便も乱れ、午後8時半までに、日本航空は国内線と国際線計325便、全日空は計334便が欠航した。交通の混乱は、一部で5日も続く見通し。